社会保険算定(定時決定)

社会保険一括算出では、「定時決定」または「随時改定」の算出や算定結果の確認・取消が行えます。
ここでは「定時決定」の一括算出・個別算出・取消方法について説明します。

定時算定とは
毎年7月に、社会保険料の計算基準となる標準報酬月額を見直す手続きです。
7月1日時点で在籍、かつ社会保険に加入しているすべての従業員が対象になります。

 ◆定時決定(一括算出) 
 ◆定時決定(個別算出)
 ◆定時決定算出結果の取消

複数の従業員の算出をまとめて行う手順です。

①社会保険メニューから[社会保険一括算出]を開きます。
算出処理を行う所属を選択し、後述の項目一覧を参考に条件を設定後[この条件で検索]をクリックします。
※各項目間は全てANDで検索されます。

項目名 内容
算定種類 算定を行う処理を選択します。
○定時決定  ○随時改定
※ここでは「定時決定」を選択します。
算定年月 算定対象の年月を指定します。
定時決定:7月が固定表示されます。
随時改定:算定年月を指定します。※初期値は現在の処理年月が表示されます。
ステータス 従業員のステータス状況を選択します。
○すべて  ○算定済  ○未算定
社員名 対象の従業員名を入力します。
入力した社員名を、部分一致で検索します。

②対象従業員にチェックを付けて[一括算出(定時)]をクリックします。
複数の従業員にまとめてチェックを付けて処理もできます。
※「全件を対象とする」にチェックを付けると、検索された全ての従業員が対象になります。

③確認画面で[一括算出]をクリックします。

④選択した従業員の算定種類欄が「定時決定」・ステータス欄が「算定済」と表示されたことを確認します。

1名ずつ個別に算出を行う手順です。

①社会保険メニューから[社会保険一括算出]を開きます。
算出処理を行う所属を選択し、後述の項目一覧を参考に条件を設定後[この条件で検索]をクリックします。
※各項目間は全てANDで検索されます。

項目名 内容
算定種類 算定を行う処理を選択します。
○定時決定  ○随時改定
※ここでは「定時決定」を選択します。
算定年月 算定対象の年月を指定します。
定時決定:「7月」が固定表示されます。
随時改定:算出年月を指定します。※初期値は現在の処理年月が表示されます。
ステータス  従業員のステータス状況を選択します。
○すべて  ○算定済  ○未算定
社員名 対象の従業員名を入力します。
入力した社員名を、部分一致で検索します。

②対象従業員行にあるステータス欄の[未算定]をクリックします。

③算定入力-定時決定で、表示内容の確認と後述の項目一覧を参考に入力します。
入力内容に誤りがないことを確認し、[算出]→[登録]の順にクリックします。

【項目一覧】

項目名 内容
算定年月 対象年の「7月」が固定表示されます。
社員番号/社員名 従業員(被保険者)の社員番号/社員名が表示されます。
健康保険証番号 人事マスタの「社会保険」タブに登録されている「健康保険証番号」が表示されます。
※未登録の場合、「健康保険証番号が入力されていない社員です。」と表示され算出できません。
被保険者区分 人事マスタの「社会保険」タブに登録されている「被保険者区分」が表示されます。
支払基礎日数

人事マスタの「各種設定」タブに登録されている「支払区分」により、日数(小数点以下がある場合は切り上げ)が表示されます。
必要に応じて変更も可能です。
 
月給者・・・・・暦上の末日を表示(欠勤日数は考慮しません)
日給月給・・・・暦上の末日を表示(欠勤日数の入力があった対象月のみ、初期設定の「社会保険」タブに登録されている「社保算定対象月の就業日数」から欠勤日数を差し引いた日数を表示)
日給者・・・・・対象月の勤怠データに登録された出勤日数を表示
日給+時間給・・勤怠データの就業日数を表示
時間給・・・・・初期設定の「社会保険」タブの「時給者の支払基礎日数の引用日数」の指定により就業日数または出勤日数を表示

※暦上の末日は、初期設定の「社会保険」タブに登録されている「支払基礎日数の初期表示」によって変わります。

金銭支給額 算定対象の支給額を入力します。
初期値は、賃金台帳の対象月にセットされている、算定対象項目の合計が表示されます。必要に応じて変更可能です。
現物支給額 月々の報酬額に含まれていない、金銭または現物がある場合に入力します。

なお、通勤定期券、回数券、自社製品、制服、食事、社宅などで現物支給を行っている場合、これらを金銭に換算して報酬として扱います。換算時の基準額等については、年金事務所へお問合せください。
報酬総額 「金銭支給額」と「現物支給額」の合計が表示されます。
被用者区分 給与確定で賃金台帳の対象月にセットされた「被保険者区分」が表示されます。必要に応じて変更可能です。
○一般  ○パート特例  ○短時間労働者
なお、被保険者区分が混在する場合、それぞれに応じた支払基礎日数をもとに算定を行います。
総計報酬額 算定に含める月の報酬総額が表示されます。
平均報酬額 総計報酬額を、算定に含める対象月数で割った金額(1円未満の端数は切り捨て)が表示されます。
※遡及額はここには含まれません。
修正報酬額

算定対象月の報酬総額に遡及額が含まれており、その金額がシステムに入力されている場合に、遡及額を差し引いて修正報酬額を算出します。

総計報酬額から遡及額を除いた金額を算定対象月数で割った金額が表示されます。
(計算例)
各月の報酬総額:4月 250,000円、5月 265,000円、6月 265,000円
遡及額:5,000円
総計報酬額:250,000+265,000+265,000=780,000円
平均報酬額:780,000円÷3か月=260,000円
修正報酬額:(780,000円-5,000円)÷3か月=258,333.33333333…
      1円未満の端数は切り捨てられるので、258,333円

昇(降)給区分 初期設定の「社会保険」タブの「昇(降)給区分」が表示されます。必要に応じて変更可能です。
昇(降)給月 初期設定の「社会保険」タブの「昇(降)給月」が表示されます。必要に応じて変更可能です。
遡及額 昇(降)給区分が「なし」以外の時に入力できます。
算定対象月の報酬額に算定期間外の昇(降)給額が含まれる場合、その合計額を入力します。 
例)
2月に昇給したが、2月と3月の昇給分を4月に含めて支給していた。2月と3月は算定対象月ではないので、2月と3月の昇給分を除いて算定させるために昇給合計額を入力します。
支給月 昇(降)給区分が「なし」以外の時に入力できます。
昇給または降給による差額の実際に支払った月を入力します。
70歳以上被用者 人事マスタの「社会保険」タブに登録されている「70歳以上被保険者」が表示されます。
【70歳算定基礎月】 算定期間中に70歳に到達したことにより、健康保険と厚生年金保険の算定基礎月が異なる場合に選択します。
中途入社区分 人事マスタの「基本情報」タブに登録されている「中途入社」が表示されます。
中途就業年月日 中途入社区分が「該当する」の場合、人事マスタの「基本情報」タブに登録されている「入社年月日」が表示されます。
中途入社算定対象月 中途入社区分が「該当する」の場合に入力できます。
※1ヶ月分の給与が支給されていない月のチェックを外します。
二以上勤務 従業員が2か所以上の適用事業所に勤務している場合、チェックを付けます。
※定時決定一覧表や月額算定エクスポートに出力されます。
月額変更予定 報酬から算出した結果、2等級以上の差がある場合にメッセージが表示され、「該当する」が自動セットされます。算出後の変更も可能です。
※定時決定一覧表や月額算定エクスポートに出力されます。
病休・育休・休職等 病休・育休・休職等に該当する場合、チェックを付けます。
※定時決定一覧表や月額算定エクスポートに出力されます。
その他 印字したい内容を入力します。(75文字以下)
ただし、以下の条件に該当する場合は、人事マスタに登録された入社年月日が優先的に印字されます。
中途入社区分・・・「該当する」
中途入社ボタン・・・算定対象月の ✔ が外れている
※定時決定一覧表や月額算定エクスポートに出力されます。
標準報酬月額
(健康保険)/(厚生年金)
[算出]のクリック後、改定後に算出結果が表示されます。
従 前:人事マスタに登録されている各種標準報酬月額が表示されます。
改定後:算出後の各種標準報酬月額が表示されます。
保険料
(健康保険)/(厚生年金)/(年金基金)
[算出]のクリック後、改定後に算出結果が表示されます。
従 前:人事マスタに登録されている各種保険料が表示されます。
改定後:算出後の各種保険料が表示されます。
従前改定年月 人事マスタの「社会保険」タブの「等級改定年月」が表示されます。
※個別算出時は入力が必要です。人事マスタで入力後に算出を行うか、直接入力してください。
改定年月 改定後の適用年月が表示されます。
定時決定:「9月」が固定表示されます。
随時改定:算定年月が表示されます。
引き落し開始月 初期設定の「社会保険」タブの「社保徴収月」の設定により、引き落し開始月が表示されます。
社保徴収月が「翌月」:改定年月の翌月が表示されます。
社保徴収月が「当月」:改定年月と同じ月が表示されます。
通常給外報酬 「遡及額」に入力した金額が表示されます。
※参考表示(2014年以前の算定用紙で使用)です。
昇降給差月額 「遡及額」を対象月数で割って計算した月額が表示されます。
※参考表示(2014年以前の算定用紙で使用)です。

④やり直す場合は[算出取消]をクリックします。算出結果がクリアされ再度処理が行えます。

⑤[社会保険一括算出]で、算定種類欄が「定時決定」・ステータス欄が「算定済」と表示されたことを確認します。

算定の取り消しには、「一括取消」と「個別取消」があります。

社会保険メニューから[社会保険一括算出]を開きます。
取消処理を行う所属を選択し、条件を設定後[この条件で検索]をクリックして該当の従業員を検索します。

一括取消

①対象従業員にチェックを付けて[算定取消(定時)]をクリックします。
複数の従業員にまとめてチェックを付けて処理もできます。
※「全件を対象とする」にチェックを付けると、検索された全ての従業員が対象になります。

②確認画面で[算定取消]をクリックします。

③対象従業員の算定種類欄が「-」・ステータス欄が「未算定」とになったことを確認します。

個別取消

①対象従業員行の[算定済]をクリックします。

②表示内容をし、[削除]をクリックします。

③確認画面で[削除]をクリックします。

④[社会保険一括算出]で、算定種類欄が「-」・ステータス欄が「未算定」と表示されたことを確認します。